2023.05.21 07:35落語『長短』の味こんにちは。鱸です。文芸研究同好会では、執筆活動の一環としてこのブログの記事を作成しています。昨年度は辞書のこと、歌人のことを書きましたが、どなたかひとりくらいは読んでくださったのでしょうか。今回は落語のことを書きます。落語というのは、同じ噺でも、噺家さんによって味わいが変わります。同じオーケストラでも指揮者が異なれば趣向が変わることと似ていると思います。この落語の特徴を顕著に感じたのは、古今亭菊之丞さんの『長短』を聴いたときでした。滑稽噺『長短』の構造は単純だと考えています。登場人物は二人だけです。のんびり屋の長さんと、てきぱきした短七さんです。話は、長さんが短七さんのお家へ遊びに行き、二人でおしゃべりをするという流れです。噺についてはインターネット...
2023.02.21 07:35歌人・石川信雄を渇望するこんにちは。鱸です。文芸研究同好会では、執筆活動の一環としてこのブログの記事を作成しています。休憩がてら少しずつ記事を書き進めていましたが、あっというまに一か月もの月日が流れてしまいました。今回は、歌人・石川信雄(と前川佐美雄)について書きます。というと語弊があります。実際は私が彼のことを知るためにうろちょろした過程が記されているだけです。※石川信雄は「石川信夫」の名で作品を出している例もありますが、ここでの表記は「石川信雄」に統一いたします。また、敬称を略します。石川信雄は昭和期の歌人なのですが、直接的な情報がとても少ない人です。どの程度少ないかといいますと、某フリー百科事典の記事が存在しない程度です。同サイトの前川佐美雄の記事のなかでも太字にすらな...
2023.01.21 07:35二言語辞典に関する疑問はじめまして。2022年12月より部長を務めております、鱸と申します。文芸研究同好会における執筆活動の一環としてこのブログを積極的に活用したいと考え、筆を執りました。ご挨拶も兼ねて、今回は二言語辞典に関する疑問について書きます。三三七拍子が四拍子であること。その事実に違和感を覚え、私は図書館に赴きました。まず、みんな大好き『新明解国語辞典』(第八版)を開き、「拍子」を探すことにしました。すると「拍子」という言葉が思いのほか多様な意味を持っていると分かり、当初ブログに書こうと思っていた「拍子」に関する疑問は解決してしまいした。※納得はしていません。三三七拍子の呼称は「三三七拍手」に改めたいです。意気消沈して参考図書コーナーを去ろうとした私ですが、本棚の一...