サークル活動報告記 〜文字数お化けより〜

 こんにちは、月夜です。今回は担当が変わってブログを更新させていただきます。これまでの担当者と違って大したことは書けませんが、最後までお付き合いお願いします。



 さて、少し前に書き下ろした小説の話をしましょう。まだブログに公開されていません。そのうち公開する予定ですので、ああコイツか、と思っていただければ幸いです。


 我々文芸研究同好会はこの仰々しい名にそぐわない、いわゆるオタクの集まりです。活動は自由。お題は毎月出ますが書いても書かなくても良い。そんなゆるいサークルです。

 そんな私たちの四月のお題は『好きな曲をテーマに小説を書く』でした。

 そんなお題があるもんか、と思わないでください。かなり自由度の高いサークルゆえに、こういうお題だって出ます。ちなみに三月は『書き下ろし』、二月は『バレンタイン』でした。ブログや部誌などで今後公開される予定なのでお楽しみに。

 あぁ、話を戻します。

 私はそのお題の前に書いていました。それがこの話のメインです。

 ええ、時系列順に記しましょう。



 私はお題をもらう前からその小説を書いていました。テーマはとあるアイドルグループの曲です。少し前にメンバーが事務所を退所しましたね。色々と思うところはありますが、私個人のことなので割愛させていただきます。ただ、一つだけ言えることは幸せならそれで良い、です。

 それはさておき。これがまあ、綺麗な曲でした。一年ぐらい前ですかね、リリースされたのは。当時は興味もなく、スルーしていました。まあ、聴くことになったきっかけは置いといて、とにかく綺麗な音がたくさんある曲だったんです。

 良いなあ、素敵だなあ、と思いながら聴いていました。ええ、はじめは純粋に素敵な曲と思って聴いていたんです。でも、ふと歌詞をよく聞いてみれば違和感を感じました。

 その筆頭が何度も君に恋しているーー。それはどうして?

 いま思えばずいぶん馬鹿な質問です。答えは色々あるでしょう。例えば新しい一面を知って惚れ直していたり、何度も再会してその度に好きだと思ったり。

 そうですね、それが普通ですね。

 私はこの問いにこう答えました。『記憶がないから』。するとまた問いが浮かんできました。


ーーではどうして記憶がないのか?

 記憶喪失になる病気だから。

ーー何度も、というところはどう説明する?

 じゃあ記憶がリセットされちゃう。

ーーどうしてリセットされちゃうのか?

 なにかきっかけがある。事故が一番分かりやすいんじゃないか。

ーーなにをきっかけにする?


 ポンと浮かんだこの問いに答えることができませんでした。ある程度のことは噛み砕いて理解し始めていたのに、この問いだけは即答できませんでした。

 私はしばらくこの曲を聞きながら考えました。けれど、リセットのきっかけは浮かびませんでした。そんな中、またしても曲がヒントをくれました。

 二人の七色描こうーー。その歌詞に思わず息を飲みました。どうして二人の七色なのか、こちらにも答えは出ていませんでした。

 余談ですがみなさんは七色と聞いて何を思い浮かべますか。私は虹です。日本では虹は七色とされていますが、どこかの国では八色、六色と言われています。色の認識がどうのこうのとはここでは言いません。私も詳しくないですし。

 ここで一つの答えが浮かびました。何故、二人の七色なのかと記憶のリセット方法。この問いにまとめて答えられる答えでした。

 事故のとき虹を最後に見たせいで、虹をきっかけに記憶がリセットされる。二人の七色、はプロポーズ。虹を見れない彼からの未来の約束。

 これが馬鹿な思考です。つまり、構成を練る前から激重な過去を持つ主人公たちが誕生したわけです。まあそれは実際に読んでみてくださいな。というわけで話を少し戻しましょう。


 それを八割ぐらい書き終えた頃、ふと文字数を見て目を丸くしました。

 四万字。

 一桁おかしいと思った人もいるでしょう。いえ、これが私にとっての普通です。私は筆が速く、アニメーションのように描写するのでとにかくたくさん書いちゃうクセがありました。

 あぁ、先に断っておきますが、もちろん短いものも書けます。ただし、書く内容次第、といった点が大きく、お題が○○の日だったり、涙だったりすればだいぶ短くおさめられます。

 そしてサークルの字数制限を思い出しました。十万字。多いと感じるでしょうか。それとも少ないと感じるでしょうか。この大学の文学部の卒業論文は一万二千字からなので十万字が比べるまでもなく多いことが分かります。

 これにも事情がありまして。ええ、少し前までは六千字だったんです。けれど昨年末に私が二十万近くの小説を書いたせいで六千字では圧倒的に足りないことが判明しました。おかげで字数制限が増えたんです。

 でも、一万字にすれば良いっておもいましたよね?そうですね、たしかに普通ならばそれでも良いでしょう。けれどこれまた私のせいですが、当時の私は文字数に関する認識が歪んでいたんです。

 ほら、直前に二十万字近く書いちゃったじゃないですか。そうすると二万字とか少ないな~って感じちゃったんです。五万字でさえ四分の一かぁ~ってなったのでどれくらい歪んでいるかが分かりますね。

 その節は大変ご迷惑をおかけしました。反省はしてますが後悔はしていません。

 話を戻しましょう。

 あと半分かぁ、なんて思いながら私はその後の構成を見直しました。十万字はいきたくなかったんです。結果、完成した小説の文字数は五万字でした。



 そしてそれをどうするか考え始めた頃に定例会がありました。

 定例会では毎月のお題を考えます。四月は決まっていませんでした。ふと、部長が私に問うたのです。

 今、なにか書いていますか?と。

 私はその小説のことを話しました。部長は私が曲を元に話を書いたことを知っていました。その前の月の定例会では取り組んでいる小説について話していたので覚えていたんでしょう。

 まあ、忘れられそうもないですけれどね。お気に入りの曲で書いているんですが、主人公たちが激重の過去を持っているんです、でもハッピーエンドにしたいんです、なんて。

 そしてなぜかすんなりと曲をテーマにして書くことが決まってしまったのです。まあ、サークルのメンバーがいいと言ったので私は気にしないことにしましたが、こうしてお題が決まる前に終わらせてしまった、という図が出来上がってしまったのです。



 馬鹿らしい話だと思いましたか?それとも呆れ?

 正直に言えば抱く感想はなんでも良いです。こんな狂った人間もいるんだな〜って思ってもらいたくてここまで筆を取りました。まあ、本音はサークルの名前だけで尻込みしているかもしれない入部希望者に実際の活動について話したかっただけですが。

 私という狂った人間を例にしているため、参考になんかならないと思った人もいるでしょう。けれど、好きだ!書きたい!という気持ちがあれば誰でもこういうことはできると思っています。

 まだ見ぬ入部希望者の方々、ぜひ一度ブログで小説を読んでみてください。どんな小説を書いても良いのがこのサークルの特長です。

 私は書きたい!と思っている方々と話せる機会を密かに楽しみにしているので、ぜひともサークル活動も検討していただければと思います。



 書きたいことはだいたい書きましたのでこれで筆をおろさせていただきます。楽しかったので、また機会があればぜひ。

 お付き合いいただきありがとうございました。

 以上、文芸研究同好会所属、文字数お化けでした。

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聖徳大学 文芸研究同好会

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